梅草庵 daily life 第37話

★「中3 = 受験生」ではない

 新学年としての生活が始まり、1か月以上が経ちました。

充実した日々を過ごせていますか?

GW明けに、この質問を各クラスでもしてみました。

 今年度は4月平常授業の最初に、「1日1日を大事に過ごそう。」という意味で「1.01の法則」(詳しくは第36話をご覧ください。)を紹介しました。その時はきちんとわかったつもりでも、本当に実践できているか振り返ってもらいたかったのです。日々の生活に追われると、たとえ大事だとわかっていることでも忘れがちになってしまうかもしれません。特に「1日1日を大事に過ごそう。」のような、少し漠然としているものだと尚更かもしれません。忘れないためには、1日10分でも15分でもいいから、無理にでも「今日の自分」を振り返る時間を取ってみたらどうかと生徒に伝えました。

 

 特に中3生には、1日の振り返り方として「受験生として合格点をあげられるか。」にこだわろうとも伝えました。「中3生として」ではなく、「受験生として」ここが大切です。この話をした時、生徒たちは一瞬ポカンとしていました。「中3なんだから受験生に決まっているじゃないか?」と疑問に思ったのかもしれません。しかし、中3生になれば誰でも自動的に受験生になるのでしょうか?私は違うと思います。受験生とは「志望校が決まって初めてなれるもの」だと思います。そして、受験生になるということは、学校生活だけに追われるのではなく、自分の志望校に向けて主体的に取り組んでいくことなのだと思います。

 

 正直、志望校がまだ決まっていないという方もいるかもしれません。志望校の決め方としては、「通学距離・時間」・「偏差値」・「都立か私立か」・「大学付属校か否か」・「部活」・「雰囲気」・「大学実績」・「制服(女子に特有)」など様々だと思います。どれも大切です。ただし、これらに加え、ぜひ大切にしてもらいたいのが「自分はその学校で何を勉強したいのか?どう過ごしたいのか?」「将来どういう方向で生きていきたいのか?」という思いです。中学生段階では中々難しいことかもしれません。ですが、大学進学の際には必ず必要になることです。せっかく受験生になるのですから、ぜひじっくり考えてもらいたいと思います。志の火がつきさえすれば、楽ではないものの楽しさもある受験生活になるはずです。