★『深夜特急』
かなり久々の更新となります。今回取り上げるのは『深夜特急』(沢木耕太郎 / 新潮文庫1~6)です。言わずと知れた、「旅のバイブル」です。私の趣味の一つは読書です。読書では基本的に併読する(同時期に3~4冊を並行して読む)のですが、旅関連は併読候補に挙がることが多いです。理由は単純で旅や散歩も趣味だからです(笑)。
『深夜特急』は、筆者が香港からロンドンまで乗り合いバスで旅する内容です(テレ東の旅番組も真っ青です。)。6巻もありますので、もしかすると途中の巻で飽きるかなと思ったのですが全くの杞憂でした。読みやすいのはもちろんのこと、活字だけなのに情景が頭に浮かぶこと、間間で筆者の思索・思想が挟まれることで、旅そのもののドキドキに加え、思考的にも心地よい刺激を受けながら最後まで楽しく読み進めることができました。
しかし、私がこの本をピックアップしたいと思ったのは、本編内容の楽しさではなく、あとがきにあったある一言のためです(一応の確認ですが、本編は文句なく面白いです!あとがきまで油断なりませんでした。)。それは、筆者が旅をしようか迷っている人に向けた一言です。
「恐れずに」。「しかし、気をつけて」。
本格的な入試シーズンに入っています。先日「大学入学共通テスト」が終わりましたね。上記の一言は、試験に向かう受験生にもぜひ届いてもらいたいものです。これまでがんばってきた自分を信じて、試験を怖がる必要はない。そもそも試験は敵ではない。こういう学生・生徒に来てもらいたいという学校側からのメッセージです。ただし、問題を解いている間は時間配分やケアレスミスにはくれぐれも気をつけて。受験学年のクラスにはよく言いますが、ぜひ自信と謙虚さを同居させて取り組んでください。
併読のせいもあり、『深夜特急』(1~6巻)を読み切るのに半年以上かかりました。中々長い読書の旅が終わり、じゃっかんの寂しさがあります。