2013年

2月

20日

読書のすすめ 第2号

★『燃えよ剣』

今回紹介する本は『燃えよ剣』(司馬遼太郎)。歴史小説です。主人公は、幕末に新撰組副長として名をはせた土方歳三。新撰組は江戸幕府の治安を守る剣客(剣の達人)集団です。仕事柄、反幕府の要人たちの暗殺もしていました(池田屋事件が有名)。

幕府側についた土方でしたが、時が経つにつれ、幕府側は最新の銃装備をした反幕府軍(いわゆる長州藩や薩摩藩)にズルズルと押されていきます。新撰組がいかに一流の剣客ぞろいでも、さすがに銃には勝てません。幕府中枢の要人たちはドンドン降伏していきます。しかし土方はそれでも抵抗を続け、最後には函館の五稜郭に榎本武揚と共に立てこもり、抗戦を続けます。五稜郭で必死の粘りを見せるものの、実はこの時江戸幕府の中心である江戸城もすでに陥落していました。守るべきものが先に負けてしまったわけです。しまいには頼みの綱、榎本武揚もついに降伏を決意。五稜郭内の兵士たちにも、もはや士気はありません。負け確実状態です。しかし土方は降伏を拒み、単身最後の戦いに出て討ち死にします。冷静に見れば無謀な生き方のようにも見えますが、そこには義に生きるカッコ良さを見ることもできます。土方は、江戸幕府を守る側といっても、地位は決して高くありませんし、それほど恩恵を受けていたわけでもありません。お偉方がドンドン降伏しているのに何でそこまで尽くすんだよ~という感じです。損得勘定の無い、義ですね。自分で決めた志(土方の場合は幕府を守るということ)を守るために戦っていたのです。義というのは少々古くさい印象を与える言葉かもしれません。しかし、何か行動をする時に自分にとって得かどうかで動くケースが目立つ現代だからこそ、私には新鮮に感じます。行動基準が、得とか金とかだけになってしまうのは寂しいことではないかと思います。お金を超える価値観を1つでも見つけて、それを守って深く生きていけたらカッコいいですね。もちろん私自身もがんばらねばならないのは言うまでもありません。