読書のすすめ 第5号

★『風の谷のナウシカ』(原作版)

 実はジブリ映画のファンである私。映画はDVDという形も含めてほとんど観ていますし、新作発表が行われる度にワクワクします。ジブリに関連して今回紹介するのは『風の谷のナウシカ(原作漫画版 全7巻)』(宮崎 駿)です。映画の『風の谷のナウシカ』を知っている人は多いと思いますが、原作となる漫画の存在を知っている人は意外と少ないみたいです。大きめの本屋さんに行かないと売っていないことも原因かもしれません。さて、映画版ももちろんおすすめなのですが、映画は原作である漫画の2巻目の途中までなんです。つまり映画版は、原作の約4分の1だけの部分なのです。あの有名作品にはまだまだ続きがあるんです。

 内容はナウシカという少女を主人公にしたファンタジーもの。題材は一言で言ってしまうと、人間と自然の共存ということになるのでしょうか。後半は宗教も絡んできて、内容が難しくなりますが、とにかくスケールが大きいです。読むとわかりますが、そんな大きなテーマに立ち向かう少女ナウシカの活躍に感心させられてしまいます。人間としての器、行動力、優しさ、リーダーシップなどなど。大変刺激になります。私自身、日常大変なことが続いたとき、恥ずかしながら「まあ、ナウシカに比べればまだ大したことはないか。」と思ったこともあります(笑)。小・中学生のみんなも日頃の勉強や習い事、部活の忙しさがあると思います。「自分だけががんばっている。」とか「何で自分だけこんな大変なんだ?」と思うことがあるかもしれません。でもそんな時はふと冷静になって「周りにはもっともっとがんばっている人がいるかもしれない。」と思ってみてください。ツラい時こそ、きっと励みになると思います。

 学校の成績が絶対評価になってから、周りと比べる機会が減っているかもしれません。「周りに関係なく自分がどれだけがんばったか」という姿勢はもちろん大切です。ただ、自分の位置を知るためにも、時には他の人と比べることも必要なのではないかとも思います。そして、比べる際に注意したいのは「上を見る」ということ。下を見て「自分はまだ大丈夫だ」と思って安心したい気持ちもわかります。でも、それで終わりにしてはいけません。それはただの自己満足、または自分を納得させるための言い訳に過ぎないことが多いです。比較は自分を成長させるために使っていきましょう。