2013年

8月

26日

読書のすすめ 第9号

★『ブレイブ・ストーリー』

 今回は久々に小説です。紹介するのは『ブレイブ・ストーリー』(宮部みゆき)です。文庫本だと、上・中・下と3冊になっています。ボリュームは多いですが、大変面白い&読みやすいのでドンドン読み進めることができます。内容は、主人公のワタルがバラバラになった家族を取り戻すため、幻界を冒険するというものです。

 まず幻界の中の冒険というものが、テレビゲームの「ド○ゴン・クエスト」のようで取っ付きやすくなっています。モンスターやら伝説の剣やら魔法やらが登場します。こういった点を考えると、「漫画は読むけど、活字なるとどうも読む気が起きない」という学生には特におすすめです

 私自身は、読み始めてすぐの時点では、生意気ながら「なるほど、単純なファンタジーものだな(とりあえず読んでいて楽しいぐらいだろう)」と思っていました。しかし、すぐにいい意味で期待を裏切られました。それは冒険フィールドである幻界の設定です。幻界は、「自由な雰囲気の南大陸」と「厳しく統制されている北大陸」に分かれており、北大陸は一部の特権階級が富を吸い上げていて、一般人は貧しい生活をしているという設定なのです。さらに、そこでは国をまとめるため一つの思想を押し付けられています。耐えられない人の中には、死を覚悟で南大陸に難民としてやってくる者もいるらしいのです。この設定がお話に出てきた時に、「幻界の北大陸というのは、現実にあるどっかの国に似ている」と思ったのです。

 この作品がすごいなと思うのは、取っ付きやすいRPG(ロールプレイングゲーム)の要素と難しい政治問題が融合されているという点です。政治問題レベルになると、お堅い本からしか勉強できないものと思いがちかもしれませんが、そんなことはありませんでした。この本なら、楽しみながら深いことまで勉強できると思います。以前映画化もされましたので、詳しい人が多いかもしれませんね。