梅草庵 daily life 第30話

★ゲームのダンジョン

 2学期中間テストの結果が出そろってきた頃だと思います。「終わったぜー!」だけで本当に終わらないように注意しましょう。塾や学校でテストがあった場合には、見直しを必ずすることが重要です。成績が伸びるかそのままかの境は、テスト後の見直しにかかっている言っても過言ではありません。

 そもそもテストというのは、そこまでの内容理解をチェックするために行われます。だから、それで浮き彫りになった課題(弱点)を放っておいたら、せっかくテストを受けた意味がないのです。逆にその結果をしっかり受け止めて見直しをすれば、そこまでの範囲の知識の抜けをカバーしたということになります。つまり成長です。特に英数に代表される積み重ね科目については、次回の点数アップに直結するでしょう。「テストなんて無い方がいい。」という発言を時々耳にしますが、自分の実力がわからないままドンドン先に行く方がよっぽど恐ろしいことと思います。


 私は学生時代に『ドラゴンクエストⅥ』というTVゲームで苦い思いをしたことがあります。このゲームはロールプレイングゲームというジャンルに入るのですが、こういったゲームは主人公を成長させながらゴールを目指さなければなりません。しかし、私はクリアを焦るあまり、成長をないがしろにして先へ先へと進んでいきました。とうとう最終ダンジョン。ここまで「何て簡単なゲームだ」と思っていたのですが、最終ダンジョンに歯が立たないのです。もっと成長させてからではないとここに来てはいけなかったのです。まさに井の中の蛙。完全に打ちのめされて、もう一回地道にやろうという気力は残っていませんでした。「途中途中でもっと難しいダンジョンを用意しておいてくれよ!」と思ったのを今でも覚えています。ゲームでいうダンジョンとは、勉強でいうテストです。つまり、先の例でいうと「しっかりテストしといてくれよ!」ということです。途中途中でつまずいていたら、自分の実力がわかり、その都度修正して着実に進めていたのに・・・。後の祭りでした。


 ゲームの話で恐縮でしたが、言いたかったのは学力定着のためにはテストというチェック機能は絶対必要で、その結果を見直し・反省という行為で最大限活用することが大切だということです。「学生時代を終えてみたら、全然学力がついていませんでした。」という悲劇的なことにならないように、テストがあることを前向きにとらえていきましょう。