読書のすすめ 第32号

『えんとつ町のプペル』

 今回は塾の本棚に置いてある『えんとつ町のプペル』(にしのあきひろ)をご紹介。ちなみに、本棚の本については、塾生は休み時間に読んだり、借りて持って帰ったりすることができます。今回紹介する『えんとつ町のプペル』は絵本なのですが、本棚に置いて以来、塾生に読まれる率が非常に高い状況です。

 絵本の内容は、少年ルビッチとゴミ人間プペルが、様々なやりとりを通じて、友情と言いますか心の交流を培っていく物語です。ルビッチのお父さんが絡む物語終盤は涙ものです。ストーリ自体も感動的なのですが、物語の中心に据えられている「信じぬくんだ。たとえひとりになっても」というメッセージにも私は感銘を受けました。解釈は読者それぞれだと思いますが、私は今の学生達こそ大事にしておいていいものではないかと思います。

 

 例えば将来の働き方です。「自分の好きなものを仕事にする」、「自分が楽しいと思うことで勝負する」という価値観は、今以上に受け入れられるようになっているでしょう。失敗を恐れず、ぜひぶつかっていってほしいと思います。失敗ですら、考え方ひとつで成功になったりします。また、「たとえひとりになっても」ということは、その裏には「ひとりでもやっていける」実力・能力があるということが前提になります。やはり努力は必要です。そして、努力の方向性も大切です。今の学生が社会人になる頃には、「現存していない仕事・職種が大幅に増えている」という話は有名です。どうなるにせよ、私が思うポイントは「AIやコンピューターではできない仕事をできる人材」になるということです。少し言い換えれば、「人間にしかできないこと」の能力を上げておくということです。さらに言い換えれば、「替えの利かない人間」になるということです。急がば回れだとは思います。しかし、「替えの利かない人間」になっていれば、例えば就職活動についても、「〇〇会社に受かるようがんばらなきゃ!」という状態ではなく、「どこの会社からも欲しがられる」状態になっているのではないでしょうか?