梅草庵 daily life 第61話

★梅草庵の指導方針と授業空間

 11月上旬となり、受験学年の生徒にとっては一日一日の重みが増してきていることと思います。高3生の中には、早くも推薦入試での大学入試合格を勝ち取った子もいることでしょう。当塾でも先日、第一志望校合格の報告をしてくれた生徒がおりました。

 この号では当塾の指導方針として大事にしていることを、梅草庵新聞2023年3月号の記事をもとに改めてお伝えしたいと思います。

「学力×人間力」指導 ~頭でっかち卒業~

 塾である以上、教科指導や受験指導をしていくのは当然のことだと考えます。そして、一教育機関としてそれと共に大事にしたいスタンスがあります。それは「教育を通じて、社会を少しでも良くしたい。」、「受験は人生上の通過点。勉強は本来、自分を磨くために行うものである。」、「人としての器を大きくしていこう。」、こういったスタンスです。当塾は受験一辺倒の路線ではなく、「周りへの思いやり」や「自律」など、気持ち面の指導にも力を入れる、寺子屋風の進学塾を実践しています。周り道かもしれませんが、こういったことが成績向上へもつながると考えています。勉強を通じて心技体が鍛えられ、強く優しい人に成長してもらいたいと考えています。そして、そういった生徒達にこそ、社会でぜひ活躍してほしいと思います。

 

各回の授業が一期一会 ~人対人でしか作れない空間~

 当塾は「1クラス定員8名」の少人数集団授業の形式を取っています。黒板を使っての一斉形式ではありますが、教える側による知識の押しつけだけにならない授業作りを心がけています。生徒とのやり取りも大事にする双方向の授業です。例えば1回の授業内で生徒に発問する場面が何回か出てきます。ささいなことかもしれませんが、「みんなの前で正答を言えた!」という1回の発言の成功が、その子にとってその科目に対する自信につながることがあります。また、ある生徒の発言がきっかけで、他の生徒のやる気が高まったり、その単元攻略の突破口となったりします。これらは「やりとり1つで授業空間の質が高まる」典型例です。一方、時には発問に答えられない場面もありますよね。もちろん無理やりに答えさせることはしませんが、そういった時でも、間違いを恐れずトライできるような雰囲気を作っています。そして、こういったやりとりのサジ加減は動画の授業(やAI)では絶対にできないものだと自負しています。ライブ授業である限り、「同じ授業」というものは存在しません。各回の授業が貴重だからこそ、生徒の集中力も高まります。アットホームさと適度な刺激を大切に、お互い切磋琢磨できる空間を日々作っていこうと思います。

 

「知っている」では足りない ~考えるスタミナをつける~

 インターネットやスマホの普及により、「欲しい答がすぐに出る」環境になっています。そのためか、子供たちの(大人も?)「考えるスタミナ」が低下しているように感じます。「考えるスタミナ」が低いと、すぐに答えの出る基本問題や暗記問題には対応できますが、少しひねられた応用問題になると対応することができなくなります。ひどいケースでは、難しそうだなと感じた瞬間に解くこと自体をあきらめてしまう場合も…。当塾では、集団授業の良さを最大限生かし、考える場を多く作ります。内容によってはすぐに答えを教えない場面もあえて作ります。英語や国語(もちろん数学も)は、答えにたどりつくまでのプロセスが大事ですよね。生徒から「早く答えを教えて~」という雰囲気を感じることもしばしばです(笑)。しかし、体に筋肉がつく時と同じように、そういったツライ時間にこそ頭の筋肉(考える力)がついているのではないでしょうか?また、早く解けた生徒には、他の生徒のためにその問題の解説をお願いする場面も作っています。人に教えることは最高の勉強になります。